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ジョバンニの島 アニメ [ジョバンニの島 アニメ]

第二次世界大戦後の北方四島の一つ色丹島を舞台に、ソ連軍の進駐によって戦後の混乱を生きることになった幼い兄弟たちを描いた劇場版アニメ 「ジョバンニの島」。

アニメーション制作は 「Production I.G」 で、日本音楽事業者協会(音事協) 創立50周年記念作品。音楽もふんだんに使われ、美しいアニメーションで描き出した。

ジョバンニの島 みらい文庫版

脚本家・杉田成道さんが櫻井圭記さんを脚本に、西久保瑞穂さんが監督。市村正親さん、仲間由紀恵さん、北島三郎さんらが声を担当。

10歳の純平と7歳の寛太の兄弟は漁師の祖父と防衛隊長の父・辰夫と色丹島に暮らし、大自然に抱かれて2人はのびのびと育った。

兄弟の名前は亡き母が大好きだった 「銀河鉄道の夜」 のジョバンニとカンパネルラから名付けられ、2人はこの物語が大好きだった。

1945年の夏に、敗戦とともに穏やかな日々は終わった。おじさんの英夫が帰ってきておみやげの汽車のおもちゃで喜んだのもつかの間、ソ連軍の兵士たちが島に上陸。

住民は家や財産を奪われ、漁も禁止になった。純平たちが通う学校も、半分はソ連の子供たちが学ぶ教室となる。兄弟はターニャという美しい少女と親交を深め、純平はターニャに淡い恋心を抱き始めるが。

物語構成、絵、音楽、どれをとっても秀逸だ。歪んだ遠近で描かれた背景も独特で印象深い、キラキラした島での楽しかった暮らしから一転島を追われる兄弟たち。

キャラクターは素朴な画風でありながら魅力的で、子どもたちだけでなく優しい先生とおじさんも重要な脇役として描かれる。薄暗い色合いの中の猛吹雪などは、見ているだけで凍えそう。

企画当初は実写映画で考案されたというが、アニメーションにして正解だった。ターニャに心を奪われる思春期手前の兄・純平。島を追われながらもターニャを思いやる優しい弟・寛太。

実話が基になっているが2人の運命は過酷の極み。そこに、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の引用が絶妙に加えられ、ファンタジーが力を発揮。

「ジョバンニの島」は、22日から全国で公開中。

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